テクニカル分析入門
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テクニカル分析入門
テーマ:第2回 ローソク足の見方と判断法

日本の相場のルーツは米相場にあります。日本の相場哲学書として知られる「三猿金泉秘録」は徳川時代の1755年の作。日本での相場戦術の元祖とされる「酒田秘法」(本間宗久)は1700年代末期頃のもので、この二つとも、相場と言えば米相場のことを指しています。
相場の足取りを記録した表なり図は、淀屋の米市の時代からあったようですが、その足取り表を見て投資家心理の変化を分析し、実際の相場へ応用したのが、米相場で連戦連勝、その売買の鮮やかさは相場の神様と謳われた本間宗久でした。
足取り表の歴史をたどると、最初は出来値の記録だったようですが、次第に記号化され、現在で言う終値(おわりね:ある時間枠の中で最後についた値段のこと)をつないだ「止め足」や「星足」が出現。価格変動の高低を認識する「棒足」というイノベーションが起こると、明治時代には更に改良され、ローソク足(陰陽足)が発明されました。これが、現在の日本のチャートの主流となっており、一日の値動きを記す「日足(ひあし)」のみならず、「週足(しゅうあし)」、「月足(つきあし)」、最近では「時間足(じかんあし)」や「分足(ふんあし)」へと応用範囲が拡大し、それぞれに有効な分析手法の研究が進んでいます。

ローソク足の見方

ローソク足は、始値(はじめね:ある時間枠の中で最初についた値段のこと、寄付き値(よりつきね)とも言う)、高値(たかね:ある時間枠の中で最も高い値段のこと)、安値(やすね:ある時間枠の中で最も安い値段のこと)、終値(引け値(ひけね)とも言う)の4本値を表示しており、始値より終値が高い場合は、白または赤で表示する「陽線(ようせん)」、逆に始値より終値が安い場合は、黒塗りで表示する「陰線(いんせん)」で記されます。なお、始値と終値が同じものを「寄引同時線(よりひけどうじせん)」と呼びます。

【図2−1】 ローソク足

始値と終値で囲まれた部分を「実体」、実体からはみ出している高値までの上に伸びている線を「上ヒゲ」もしくは「上影線(うわかげせん)」、安値までの下に伸びている線を「下ヒゲ」もしくは「下影線(したかげせん)」と言います。
ローソク足は、二本ないしは三本の組み合わせによって、相場の方向性なり転換点が強く表現されることになるのですが、基本的な考えは、ローソク足一本の持つ基本的な見方(図2−2、図2−3)に従うことになります。

ローソク足を見る場合、 ̄⇒曚龍菠漫↓∪いの強弱、時間的推移─の3点に注意します。具体的には、,砲いては、ローソク足が陽線であれば強い相場、陰線であれば弱い相場と考えます。△魯蹇璽愁足の大きさを見ることになり、ローソク足が長いほど、陽線なら上昇、陰線なら下落の方向に勢いがあると考えます。は実体とヒゲのバランスにより相場の動きを捉えるもので、これにより陰陽の区別や勢いの強弱の判断法に誤りがないかを見極めます。


【図2−2】 ローソク足の基本的な9パターン
号線 1 2 3 4 5 6 7 8
中心線
号線 9 10 11 12 13 14 15 16
中心線

 羽黒法における各号線の見方は以下の通りとなります。基本的な見方と羽黒法の週足の解釈では異なる部分もありますので、ご注意ください。

【1号線】上影陽線(中心線が陽線実体より上位)
・次週の上げ下げは鈍くなることが多い。
・次週の始値が上放れた場合、動きが少ないものと見て吹き値売り。
・次週の始値が下放れた場合、戻りがあるものと見て押し目買い。

【2号線】 大陽線(陽線実体の中心=中心線)
・長期上昇の後の出現の場合、次週の高寄り場面で売り出動。
・底値鍛錬期で比較的短い線が出現した場合は上昇の兆しと見て買い場探し。
次週に大きく下放れた場合、売りの急所。
2週連続で本線が出現した場合、上昇力が強くなるとみて買い増し。

【3号線】 下影陽線(中心線が陽線実体の下位)
・次週の始値が中心線付近の場合は買いも小幅高程度。
・次週の始値が中心線より高い場合は売り出動。

【4号線】 陽の大引坊主(下影陽線、中心線が陽線実体の中)
・強力な買い線であり、次週の始値で買い出動。

【5号線】 陽の寄付坊主(上影陽線、中心線が陽線実体の中)
・買い線の花形であり、次週も陽線出現の可能性大。
・次週の始値が上放れず、中心線や終値近くで始まる時が非常に強力な陽線出現の公算大。

【6号線】 陽の寄付坊主(上影陽線、中心線が陽線実体より上位)
・上げ相場の末期に出現すると大天井示唆。
・次週の始値が中心線以下の場合は売り。
・次週の始値が中心線以上の場合は上値余地ありと判断。

【7号線】 陽の大引坊主(下影陽線、中心線が陽線実体の下位)
・日足では強気解釈されるが、週足では攻防の分岐と判断。
・高値圏で出現した場合、上昇末期で大暴落を示唆。
・上昇途中に出現した場合、深い押し目を形成する可能性あり。

【8号線】 陽の丸坊主(大陽線、陽線実体の中心=中心線)
・日足では強力な買い線も、週足では上げ続けて伸びきったと判断して売り解釈。
・次週始値で売り、中心線を下回ってきたら追撃売り。

【9号線】 下影陰線(中心線が陰線実体より下位)
・下ヒゲが長い場合は売り線と見て次週は売り出動。
・下ヒゲが短い場合は模様眺めとなりますが、急騰波乱の想定が必要。

【10号線】 大陰線(陰線の実体の中心=中心線)
・底値圏で出た場合、次週の始値が中心線以下なら中心線あるいは高値を上抜けたら買い出動。
前週が長大で、本線が前週の高安の値幅内に収まっている場合は強力な買い線。
・天井圏で出た場合、次週の始値が中心線以下なら中心線に達せずに安値を割ったら売り出動。
次週の始値が終値付近なら中心線を下抜けて売り出動。
次週の始値が終値の上位なら、中心線を上回らずに安値を割った場合に売り出動。
前週が長大陽線の場合は強力な買い線。

【11号線】 上影陰線(中心線が陰線実体の上位)
・下げ過程の中で出現した場合、次週の波乱を暗示。
・次週が陰線で、かつ安値が本線の安値を下回る場合は暴落の公算が大きい。
・次週が陽線の場合は買い出動。

【12号線】 陰の大引坊主(上影陰線、中心線が陰線実体の中)
・強力な売り線であり、次週の始値で売り出動。

【13号線】 陰の寄付坊主(下影陰線、中心線が陽線実体の中)
・次週の始値が中心線より上で始まる場合、大暴落の可能性が高いと見て売り。
・次週の始値が中心線より下で始まる場合、上昇の可能性ありと判断。
・次週の始値が中心線より下で始まるも、終値を下回ってきた場合は売り転換と判断。

【14号線】 陰の寄付坊主(下影陰線、中心線が陰線実体より下位)
・次週に上昇する可能性が高いと見て買い出動。
・中心線を下回ってきた場合は売り転換。

【15号線】 陰の大引坊主(上影陰線、中心線が陰線実体の上位)
・日足では弱気も、週足では強気解釈。
・底値圏で出現した場合、買い転換示唆と見て次週の始値から買い出動。
・高値圏で出現した場合、模様眺めで次週の動き次第で判断。

【16号線】 陰の丸坊主(大陰線、陰線実体の中心=中心線)
・次週に上放れた場合は買い出動も小幅利食い。
・次週に上値が重い場合は、再来週の下落暗示と見て戻り売り。
・次週に下放れた場合は押し目買い。

ローソク足の組み合わせによる見方

一本のローソク足自体でも相場的意味合いを持っていますが、二本、三本とつながって出来てきた経過の中にこそ、相場の勢いの変化を窺い知ることができますので、複数のローソク足を組み合わせて相場分析を行うほうがより精度が高まってきます。
相場の高値圏・底値圏、中段の保合い圏などの重要なポイントで、特定のローソク足の組み合わせが出現した場合は、相場の転換点を暗示するケースが多く見受けられます。ここでは、代表的なローソク足の組み合わせをご紹介いたします。


【図2−5】 ローソク足の組み合わせ
かぶせ線(被せ線)
大陽線の翌日、大陽線の終値(あるいは高値)よりも高く始まったものの、この日の終値が前日の大陽線の実体の中に入り込んで引ける大陰線。上からかぶさっている形なのでこのように呼ばれます。
特に前日の大陰線の中心値以下での陰線形成は、それまでの買い勢力が押し戻された形であり、下値への転換となる場合が多く、高値圏でのかぶせ線は売りの急所となります。
出合い線
前日の線に対して当日の始値が上放れ、または下放れて始まったものの、終値が前日の終値と同じになった形。前日の勢い以上で始まったものの、結局反対勢力の逆襲に合ったと判断され、相場の方向性にヒビが入りつつあると観測されることが多いようです。
左のパターンが売り転換暗示、右のパターンが買い転換暗示となります。
あて首線
前日の陰線の後、当日は下放れて始まり、その後は上昇を見せて陽線で終わるものの、終値は前日の安値以下で止まった形。 買い方の反撃は力不足と判断されます。
高値圏での保ち合いや下げ相場の初期で出現した場合には下げの可能性が高まります。
入り首線
あて首線がさらに伸びて前日の陰線の値幅内まで食い込んだものの、前日陰線の実体の中心値より下で終わっている形。 強い反撃開始だとはまだ言えない状態。
下げ相場初期や中盤に出現した場合は、追撃売りの急所とされています。
差し込み線
入り首線の陽線が長くなった形ですが、それでも前日陰線の中心値以下で終わっている形。
「買い方の反撃もここまで」ということを意味するケースが多く、下げ相場において出現した場合は、戻り売り・追撃売りの急所となることが多いようです。
切り込み線
前日の大陰線の後、当日は前日終値よりも安く始まり、その後上昇して前日の大陰線の中心値を上回る大陽線となって切り込んでくる形。
かぶせ線の逆で買い方に勢いが強まってきており、買い転換を暗示することが多いようです。
特に、長期下落相場の後に出現した場合、重要な買い転換のシグナルとなるケースが多いようです。
たすき線
前日の陰線の後、高く始まり、当日の終値が前日の高値以上となる場合(左のパターン)、または、前日陽線の後安く始まり、当日の終値が前日の安値以下となる場合(右のパターン)のいずれかの形。
決定的な転換パターンではありませんが、目先は逆向かい方針で対処するとうまくいくケースが多いようです。
包み線(抱き線)
前日の陰陽線とは逆の線が出現し、しかも、大陽線または大陰線で前日値幅を完全に包み込む形。「抱き線」とも呼ばれます。 安値圏で左のパターンが出現した場合、酒田罫線で言う「抱きの一本立ち」で買い、高値圏で右のパターンが出現した場合、同「最後の抱き線」で売りと判断されることが多いようです。
はらみ線
前日の値幅内で4本値が形成された形。売り方と買い方の力関係が拮抗している状態を示します。
包み線同様に、高値圏での出現は売り、安値圏での出現は買いと判断されることが多いようです。
特に、はらんだ線が寄引同時線(十字線)である場合にはそれまでの方向性が変わる転換暗示として有効なようです。
行き違い線
(振り分け線)
出合い線は終値が出合っているのに対し、行き違い線(振り分け線)では始値が同じで終値がまったく行き違いになっている形。
上げ相場の中での前日陰線・当日陽線の行き違い線出現は、目先振るい落とし完了での一段高と判断されます。下げ相場の中での前日陽線・当日陰線の行き違い線出現は戻り一巡での一段安と判断されます。
毛抜き天井
前日高値と当日高値が同じ水準で「毛抜き」に形が似ていることから「毛抜き天井」と呼ばれています。ローソク足の組み合わせのパターンとしては、例の他にも様々な組み合わせがありますが、いずれの場合も高値行き詰まりで目先天井打ちの可能性を示唆していると判断されます。
毛抜き底
毛抜き天井とは逆で、前日安値と当日安値が同じ水準となっています。典型的なパターンは前日が大陰線でありながら、当日安値が前日安値と並んでいる形で、新安値を切れずに下値の堅さが確認されたとの感触から急速に反発するケースが多いようです。長期下落の後の大底パターンとしてしばしば確認されます。

 

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第1回 テクニカル分析の意義
第2回 ローソク足の見方と判断法
第3回 酒田五法
第4回 トレンドの定義
第5回 サポートとレジスタンス
第6回 トレンドライン
第7回 チャネルラインと目標価格
第8回 天底転換パターン
第9回 天底転換パターン
第10回 中段保ち合いパターン
第11回 中段保ち合いパターン
第12回 移動平均線
第13回 移動平均線
第14回 ボリンジャーバンド
第15回 フィボナッチ
第16回 平均足
第17回 RSI(相対力指数)
第18回 テクニカル指標の変数

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