テクニカル分析入門
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テクニカル分析を分かりやすく説明します。

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テクニカル分析入門
テーマ:第5回 サポートとレジスタンス

チャートで相場分析を行う場合、相場が何をしようとしているのか、その兆候の読み方を知る必要があります。トレンドを分析することがチャートを読む基本中の基本ですから、トレンドの方向性及びトレンド転換の兆候を知るためには、まず、過去の値動きから山(高値)と谷(安値)を観察していくことが大切なのです。前回は、相場の変動の中から細かい上げ下げを省略し、重要な山(高値)と谷(安値)を抽出する方法として「スイングHL」を紹介しました。今回はこのスイングハイ(SH)=「山(高値)」とスイングロー(SL)=「谷(安値)」にしかるべき名前をつけて、それらを実践でどのように見ていくかを紹介することにします。

サポートとレジスタンス

谷とは下落時の安値のことで、テクニカルの教科書的には「サポート(下値支持線)」と呼ばれます。サポートとは、売り圧力を上回る買い圧力が存在する水準のことで、ここで相場が下げ止まり、反発に転じる可能性が高い水準と考えます。一般的には、サポート=前回の安値(SL)水準と定義されます。

一方、山とは上昇時の高値のことで、教科書的には「レジスタンス(上値抵抗線)」と呼ばれます。レジスタンスとは、買い圧力を上回る売り圧力が存在する水準のことで、ここで相場が上げ止まり、反落に転じる可能性が高い水準と考えます。一般的には、レジスタンス=前回の高値(SH)水準と定義されます。


【図5−1】上昇トレンドのサポートとレジスタンス
上昇トレンドのサポートとレジスタンス

【図5−2】下落トレンドのサポートとレジスタンス
下落トレンドのサポートとレジスタンス

チャート上でサポートやレジスタンスを発見した場合、常にこの水準で反発や反落が起こると考えてはいけません。チャート分析の真価は、発見したサポートやレジスタンスが維持されるのか、あるいは通過してゆくのかを見極める点にあるのです。しかし、過去に同じ水準で幾度となくサポートやレジスタンスとして機能している箇所もあり、このような水準では、将来もサポートやレジスタンスとして機能するものと考えるのが妥当です。

トレンドの転換

上昇トレンドにおいては、反落時の安値がサポート、直前の高値がレジスタンスであり、一方、下落トレンドにおいては、直前の安値がサポート、反発時の高値がレジスタンスとなります。

前回解説しましたトレンドの定義に従いますと、上昇トレンドが続いているということは、「レジスタンスが直前のレジスタンスより高く、連れてサポートも直前のサポートよりも高い」ということになります。このため、上昇トレンドが継続するかどうかは、まずは直前のレジスタンスを超えられるかどうか、そして、直前のサポートを維持できるかどうかに注目することになるのです。

同様に、下落トレンドが続いているということは、「サポートが直前のサポートより低く、連れてレジスタンスも直前のレジスタンスより低い」ということになり、下落トレンドが継続するかどうかは、直前のサポートを下回るかどうか、そして、直前のレジスタンスを超えられずに反落するかどうかに注目することになります。

上昇トレンドが進展している中で、直前のレジスタンス水準をテストしている時というのは、非常に微妙な状況にあると言えます。というのも、レジスタンス突破に失敗した場合、トレンド転換の最初のシグナルとなるケースが多いからです。ただし、レジスタンス突破に失敗したからと言って、すぐにトレンドが転換すると考えるのは早計です。上昇トレンドが少なくとも一時的に転換したと判断するためには、直前のサポート水準を下回り、レジスタンスとサポートの切り下がりという下落トレンドの定義を満たすことを確認する必要があるからです。

図5−3及び図5−4は、トレンド転換の代表的な例です。これらは、回を改めて解説しますが、「ダブル・トップ」や「ダブル・ボトム」として有名な天底転換のチャート・パターンですが、こういったチャート・パターンを覚えるまでもなく、サポートやレジスタンスの関係に注目するだけで、トレンド転換の可能性について知ることが出来るのです。


【図5−3】上昇トレンドが転換する例
上昇トレンドが転換する例

【図5−4】下落トレンドが転換する例
下落トレンドが転換する例

それでは、ここで質問です。

「上昇トレンドで進展している相場が直前のレジスタンスを突破した後の反落場面において、直前のサポートを下回る動きを見せました。この動きをトレンド転換として判断して良いでしょうか?」


【図5−5】下落トレンドに転換したと判断する時期
下落トレンドに転換したと判断する時期

答えは「ノー」です。直前のサポートを割り込んだだけでは、下落トレンドの定義を満たしません。下落トレンドに転換したと判断するためには、「サポートとレジスタンスの切り下げ」が確認される必要があり、サポートの切り下げだけでは不十分なのです。トレンドが転換したと判断するためには、その後の戻りで直前のレジスタンスを突破できず(図5−5の 砲鉾人遒掘△修靴督樵阿離汽檗璽箸魍笋蟾む(図5−5の◆砲海箸魍稜Г靴覆韻譴个覆蠅泙擦鵝つまり、上昇トレンドが終わり下落トレンドに転換したと判断するのは、図5−5の△涼奮ということになります。


【図5−6】上昇トレンドに転換したと判断する時期
上昇トレンドに転換したと判断する時期

前回も紹介しましたが、重要なことなので、今回も記載しておきます。

「レジスタンスが切り上がり、連れてサポートも切り上がる」という上昇トレンドの定義が成立しても、「上昇トレンドの起点となるサポートを付ける直前のレジスタンスを超える上昇を見せない限り、転換した上昇トレンドが一時的なもので終わる可能性がある」という点です。上昇トレンドの起点となるサポートをつける直前のレジスタンスとは、直近の底値をつける前の戻り高値であり、レジスタンスとしては、非常に重要な水準と認識してください。ここを超えないということは、大きな流れが変化していないということを意味しているのです。

同様に、「下落トレンドの起点となるレジスタンスを付ける直前のサポートを下回る下落を見せない限り、転換した下落トレンドが一時的なもので終わる可能性がある」ということも覚えておいてください。

サポートとレジスタンスの逆転

ここまでは、サポートを「前回の安値」、レジスタンスを「前回の高値」と定義して解説してきましたが、実践的には、これだけでは不十分です。というのも、サポートやレジスタンスというのは、一度決定的にブレイクされると役割が逆転するという性質があるからです。つまり、サポートがブレイクされるとレジスタンスに、レジスタンスがブレイクされるとサポートに転じるのです。


【図5−7】レジスタンスがサポートに逆転
レジスタンスがサポートに逆転

【図5−8】サポートがレジスタンスに逆転
サポートがレジスタンスに逆転

それでは、決定的なブレイクとはどういう状況を言うのでしょうか?

テクニカルの教科書でよく紹介されているのが、「サポートやレジスタンスから3%以上、あるいは3日連続のブレイクをもって決定的なブレイクと判断する」というものです。現物株の長期売買ならまだしも、証拠金取引でこの見方を採用すると相場の流れに乗り遅れてしまいます。筆者が現時点で採用しているブレイク基準を紹介しておきますが、チャートを研究して、自分なりの判断基準を定義してみてください。

筆者は、前回サポートを下回った日(分足なら分、時間足なら時間、週足なら週、月足なら月)の終値が前回サポート水準を下回っているかどうか、同様に、前回レジスタンスを上回った日(分足なら分、時間足なら時間、週足なら週、月足なら月)の終値が前回レジスタンス水準を上回っているかどうか、という終値判断を重視しています。そして、前回サポートを下回るなら陰線、前回レジスタンスを上回るなら陽線であることを条件としています。この判断基準のブレイクが結果として失敗に終わる(「ダマシ」と言われます)ことが多い銘柄の場合は、それぞれ続落(前日比安)、続伸(前日比高)という条件を追加して判断します。

サポートとレジスタンスの心理的背景

サポートとレジスタンスがなぜ実際に機能するのでしょうか?

これには何も呪術的な神秘性があるわけではありません。チャートとは、市場参加者の行動結果を絵に描いたもので、これを見ることによって彼らの市場に起きた出来事に対する反応を知ることができるのです。チャートを読むことは、人間心理を読むことであり、刻々と変化する相場状況に対する市場参加者の行動を分析することなのです。

サポートやレジスタンスの意味するところを市場参加者の心理で考えてみましょう。

あるレベルで売買が成立した後、相場が上昇したとします。買い方は自分の判断が正しいと思い、そのレベルまで下落すれば、買い増しをしようとします。一方、売り方は自分の考えに疑問を抱き、損の出ないようにそのレベルで買い戻しをしようとします。これこそ、そのレベルがサポートとなる心理的背景なのです。このサポートレベルをいったん下回ってしまうと、買い方の余裕と売り方の焦りが逆転し、そのレベルがレジスタンスになってしまうということもご理解いただけるでしょう。

トレンド転換における心理的背景

相場の先高観測が強い状況においては、安い値段でいち早く買おうとする意欲で前回サポートレベルに達する前に相場が上昇します。この繰り返しによりサポートレベルが切り上がっていくのです。

サポートやレジスタンスの概念を知らず、トレンド認識の基準をもたない投資家の場合、その時点では行き過ぎた高値を買うことが多いようです。すなわち、レジスタンスレベルで強気に、サポートレベルで弱気になってしまうのです。

ここで、この投資家のトレンド進展時、及びトレンド転換時に見られる心理の変化を見てみることにしましょう。


【図5−9】トレンド転換の心理的変化
トレンド転換の心理的変化
A点 底入れの予感から大相場への発展を期待して買いを仕込む。
B点 上昇転換と判断するのは時期尚早だったと考え、値下がり不安から売りに転換。
C点 相場の立ち上がりから一段高を信じて強気に傾く。
D点 値頃水準の高さから不安を抱き、暴落の可能性を考え、売りに回る。
E点 当初思い描いていた大相場への発展から乗り遅れないように強気一本となる。
F点 これまでの押し目買いの場面で投げなければ利益が出ていたとの反省から、手仕舞わずに買い持ちを続ける。
G点 思惑通りの上昇に、H点までの上昇を期待して買い増しする。

ここで注目してほしいのは、F点とG点での心理の変化です。F点ではこれまでの弱気一色に対して、G点では新高値への確信とこれまでの失敗の反省から強気感が増幅されています。しかし、現実には強気にもかかわらず相場は新高値を示現できずに崩れてゆきます。この時をもって、それまでの上昇トレンドは終了したと判断し、次の下落トレンドへと転換してゆくのです。

いかがでしょうか?「自分が相場は強いとみて買ったら相場が下がる、相場は弱いとみて売ったら相場が上がる」という方はいらっしゃいませんか?チャートは市場参加者の行動の結果を描画しています。市場参加者の心理を読み取り、逆手にとってうまく行動してください。そのためにも、サポートとレジスタンスの概念をご理解いただき、トレンドの定義とトレンド転換を判断する基準をしっかりと身につけてください。


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第1回 テクニカル分析の意義
第2回 ローソク足の見方と判断法
第3回 酒田五法
第4回 トレンドの定義
第5回 サポートとレジスタンス
第6回 トレンドライン
第7回 チャネルラインと目標価格
第8回 天底転換パターン
第9回 天底転換パターン
第10回 中段保ち合いパターン
第11回 中段保ち合いパターン
第12回 移動平均線
第13回 移動平均線
第14回 ボリンジャーバンド
第15回 フィボナッチ
第16回 平均足
第17回 RSI(相対力指数)
第18回 テクニカル指標の変数

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