テクニカル分析入門
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テクニカル分析を分かりやすく説明します。

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テクニカル分析入門
テーマ:第8回 天底転換パターン

ここまでは、ローソク足の見方から始まり、トレンドの定義、サポートやレジスタンス、トレンドラインといったトレンド分析の基本的な手法について解説してきました。トレンドとは言わば、保有するポジションが助かるのか、助からないのかの分かれ目であり、買い方を助け続けていく状態が上昇トレンド、売り方を助け続けていく状態が下落トレンドなのです。トレンドの逆についてしまうと必ずと言って良いほど負けてしまうのが相場の常であり、トレンドの考え方をしっかりと身につけてください。

さて、トレンドの継続性に関して、ニュートンの「運動の第一法則(慣性の法則)」が例に出されますが、テクニカル分析においては「トレンドは継続しやすい」という理念を大前提に、「反転の兆しが見えるまではトレンドの方向に沿ったトレードを行う」ことが大切です。上昇トレンドでは買い、下落トレンドでは売りを考えることは誰でも判りますが、「トレンドの定義」で解説した通り、トレンドの種類には3種類あり、一番やっかいなのは「横ばいトレンド」、いわゆる揉み合い圏にある相場です。「放れに就け」という格言にあるように、相場の方向性が明確になってから仕掛けるのも一法ですが、放れる確率の高い方向が前もって判っていれば他の投資家より先んじることが可能になります。また、「反転の兆しが見えるまで…」と述べましたが、トレンドの反転は通常、何の前触れもなく突然起こるものではなく、トレンド反転のための準備構成を要します。準備構成では上述した横ばいトレンドとなることが多く、ある意味では「横ばいトレンドにある相場を制した者が相場に勝つ」と言っても過言ではありません。

このような横ばいトレンドにある相場の放れる方向を前もって見当をつけるためには、過去の相場の中から典型的なパターンを見つけ出し、形に準じて判断するという方法が一般的です。このような方法は「パターン分析」と呼ばれ、チャート分析のポピュラーな分析手法の一つとなっています。


パターン分析

横ばいトレンドのパターンには大きく分けて2つのタイプが存在します。一つは、横ばいトレンドに突入する前のトレンドとは逆方向に動くタイプ、もう一つは、横ばいトレンドに突入する前のトレンドと同じ方向に動くタイプです。前者は天底転換パターン、後者は継続(中段保ち合い)パターンと呼ばれるもので、今後数回にわたってそれぞれの代表的なパターンを紹介していきます。

学習することの85%は目で見ることにより学ぶと言います。「百聞は一見に如かず」とはよく言ったもので、過去の相場の天底の形を観察しますと、パターン分析の大切さに気付かせてくれます。様々な銘柄の様々な時期の様々なパターンを観ることで、天底転換パターンとそうでないパターンの区別がある程度できるようになってきます。皆さんも過去のチャートを観て、違いが判るように研究してみてください。


チャート・パターンに関する注意事項

個々の天底転換パターンを見ていく前に、全ての天底転換パターンに共通する注意事項を理解しておいてください。

天底転換パターンを形成するためには、上昇・下落いずれかのトレンドが存在している必要があります。この方向性を正しく認識してください。

天底転換パターンが完成し、トレンドが反転する時の最初のサインは、往々にしてトレンドラインのブレイクとなります。このため、トレンドラインの知識を十分に理解しておいてください。

横ばいトレンドの期間が長ければ長いほど、あるいは値幅が大きければ大きいほど、天底転換パターンが完成した後の相場変動も大きくなります。

「天井三日、底値百日」という相場格言にもあるように、天井形成パターンは期間が短く、底形成パターンは時間を要する傾向にあります。このため、天井形成を確認して売るよりも、底を確認して買う方が比較的容易なことが多いのですが、天井形成後は急落となるケースが多いため、売りで取る方が効率的なのです。ただし、天井形成パターンは値動きが激しく不安定な動きを見せることが多いので、リスクが高くなることを理解してください。


ヘッド・アンド・ショルダーズ

数ある天底転換パターンの中で最も代表的なパターンと言えるのが、ヘッド・アンド・ショルダーズです。これは日本古来の酒田五法でも「三山(三尊)」として親しまれています。


【図8−1】 ヘッド・アンド・ショルダーズ・トップ(三尊天井)
ヘッド・アンド・ショルダーズ・トップ(三尊天井)

ヘッド・アンド・ショルダーズと言っても、これまで紹介してきたトレンドの考え方をパターン化したものにすぎません。トレンドの考え方に沿って解説することにしましょう。

図8−1をご覧ください。A点からB点への下げは上昇トレンドラインを維持していますので、それまでの上昇トレンド継続との見方に変化なく、押し目買い方針で臨みます。C点では直前の高値であるA点を更新していますので、上昇トレンド継続に疑問を挟む余地はありませんが、その後の調整でA点(レジスタンスは一度破られるとサポートに役割が逆転)を下抜くのみならず、上昇トレンドラインをも割り込んだため、上昇トレンドに何かしらの異常が生じていると考え、買いポジションはいったん手仕舞います。この調整の安値が直前の安値であるB点を維持した場合、上昇トレンドラインこそ破られはしましたが、上昇トレンドの定義(高値が切り上がり、連れて安値も切り上がる)は満たしています。その後、相場は反発に転じますが、この反発でC点に達することができず、A点の水準前後、あるいは先の上昇トレンドライン前後で頭打ちとなり(E点)、再び反落に転じます。高値切り上げ失敗から上昇トレンドの定義を満たせず、この時点では横ばいトレンドと判断することになります。E点後の下げにおいて、B点とD点を結んだライン(ネックラインと言います)を割り込んだ時点、トレンドの定義に従えばD点を割り込んだ時点、より慎重な対応をするのであれば、最高値であるC点を付ける前の安値であるB点を割り込んだ時点で下落トレンドへ転換したと判断することになります。

D点がB点を下抜いてしまうケースがあります。この場合は、この時点において、安値切り下げが確認されますので、上昇トレンドの定義が崩れ、横ばいトレンドになったと判断します。その後の戻り(E点)がC点を超えられないことを確認し、D点割れをもって下落トレンドに転換したと判断することになります。

図8−1のように、C点の天井を頭とし、A点とE点の左右の高値を両肩と見立てたこのパターンは「ヘッド・アンド・ショルダーズ・トップ(三尊天井)」と呼ばれます。

図8−2のように、c点の底値を中心に、a点とe点の左右の安値を従えたパターンは「ヘッド・アンド・ショルダーズ・ボトム(逆三尊底)」と呼ばれます。


【図8−2】 ヘッド・アンド・ショルダーズ・ボトム(逆三尊底)
ヘッド・アンド・ショルダーズ・ボトム(逆三尊底)

ヘッド・アンド・ショルダーズのようなパターンでは、目標価格を計測することが可能です。ヘッド・アンド・ショルダーズ・トップを例にとりますと、テクニカルの教科書的には、C点からネックラインまでの距離を、ネックラインが破られた地点から計測して導くとなっていますが、これは若干計算が面倒ですので、D点からE点までの上昇幅をD点から引く、C点からD点までの下落幅をE点から引く、C点からD点までの下落幅をD点から引く─といった水準を目標価格として考えておくとよいでしょう。


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Backnumber
第1回 テクニカル分析の意義
第2回 ローソク足の見方と判断法
第3回 酒田五法
第4回 トレンドの定義
第5回 サポートとレジスタンス
第6回 トレンドライン
第7回 チャネルラインと目標価格
第8回 天底転換パターン
第9回 天底転換パターン
第10回 中段保ち合いパターン
第11回 中段保ち合いパターン
第12回 移動平均線
第13回 移動平均線
第14回 ボリンジャーバンド
第15回 フィボナッチ
第16回 平均足
第17回 RSI(相対力指数)
第18回 テクニカル指標の変数

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