テクニカル分析入門
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テクニカル分析を分かりやすく説明します。

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テクニカル分析入門
テーマ:第10回 中段保ち合いパターン

どんな強材料があってもいつかは織り込まれて上げ止まり、反対に弱材料で下げ続けていてもいずれは反転上昇するのが相場です。トレンドを形成する過程においても一時的な調整場面はつきもので、レジスタンスライン(上値抵抗線)とサポートライン(下値支持線)に挟まれた値動きを一定期間にわたって繰り返すことがあります。このような横ばいトレンドの値動きを「保ち合い(もちあい)」と呼びますが、その後の相場が上下いずれの方向に放れるかを見極めなければならない非常に重要な局面と言えます。

保ち合いを放れた方向がそれ以前のトレンドの方向と同じであった場合、この保ち合いはトレンド途中の踊り場であったことになりますので、「中段保ち合い」と呼ばれます。逆に、保ち合いから方向転換した場合には、転換の起点となったということで「転換点保ち合い」と呼ぶ人もいますが、一般的には前回まで解説してきた「天底転換パターン」として認識されることが多いようです。

中段保ち合いなのか、あるいは転換点保ち合いなのかは後になってみれば簡単に判断できますが、それでは売買を行っている当事者にとっては何の意味もありません。保ち合いから放れる瞬間を捉えるというのが理想ですが、得てして値が飛んでしまい、かなり不利な価格で成立してしまうことが多々あります。保ち合いから放れる前の段階で、その後の方向性を正しく予測したいというのが、投資家の願望なのではないでしょうか。相場の世界は、数学のようにこのようにすれば正解が導き出せる絶対的な法則は存在しません。しかし、保ち合い圏において買い方と売り方の力関係の変化がチャート上に形(パターン)となって現われ、このパターンの違いにより、放れる確率の高い方向を前もって予測するのが、パターン分析なのです。


トライアングル

ぐんぐん上昇してきた相場が頭打ちにあって次第に上値を切り下げてくると、買い方は不安が高まってきます。しかし、下げ方が緩やかな時、売りの主体は買い方の利食いによるものだと考えられます。そして同時に、下値も徐々に切り上がってくるようであれば、新たに売りで参入してくる投資家の力のなさを証明するようなものですから、いったん利食って勢いのついた買い方が再び攻勢をかければ上値の抵抗は突破しやすくなるはずです。このような状況は、チャート上では図10−1のようなトライアングル(三角保ち合い)と呼ばれる形で現れてきます。


【図10−1】 トライアングル
トライアングル

トライアングルには、シンメトリカル(対称)、アセンディング(上昇)、ディセンディング(下落)の3種類あり、それぞれトライアングルは形が多少異なっている上、その意味するところも異なっています。トライアングルパターンにおいて、トライアングルの最も幅の広い部分の高さを「ベース」と呼びます。また、サポートラインとレジスタンスラインの2本の線が交差する点は「アペックス(頂点)」と呼ばれます。

さて、トレンドラインを引くためには、少なくとも2つの点が必要ですから、トライアングルを形成するためには、サポートラインとレジスタンスラインで最低4つのリバーサルポイントが必要になってきます。最低限必要なのは4点ですが、実際にトライアングルパターンのほとんどが6点のリバーサルポイントで構成されています。つまり、トライアングルの中で、3つずつの山と谷が確認されることになるのです。

ここで、前回解説しました「4回目のテスト」における相場の習性を思い出してみてください。4回目のテストでは、通常、その方向にブレイクする可能性が高いという特徴がありましたが、これは相場を観察する際には、実践的なシグナルとなってきます。すなわち、トライアングルパターンが確認される場合、4回目のテストが保ち合い放れの確率が最も高いということになりますので、ここで仕掛けるのが賢明であると考えられるのです。

トライアングルのパターン完成には、タイムリミットがあります。アペックスが一つの目安となりますが、通常は、トライアングルの水平幅(トライアングルの開始地点からアペックスまでの距離)の1/2〜3/4までのところで、トライアングルを開始する直前のトレンドと同じ方向に放れます。逆に言えば、3/4を過ぎてもまだトライアングル内にあるような時は、トライアングルの効力は失われ、相場は横ばいの動きを継続することになります。

シンメトリカル・トライアングル

シンメトリカル・トライアングルは、下向きのレジスタンスラインと上向きのサポートラインの2本からなり、上値の切り下がり具合と下値の切り上がり具合がほぼ同じというのが、シンメトリカル・トライアングルの特徴です。これは、保ち合い圏での売り方と買い方の力関係がほぼ互角ということを意味しますが、そうなるとそれまでの力関係がどうであったかが問題となります。図10−2のように、シンメトリカル・トライアングルを形成する前のトレンドが上昇で会った場合、当然、買い方の力が強かったことになりますので、上放れて上昇トレンドを再開する可能性が高いことになります。


【図10−2】 シンメトリカル・トライアングル
シンメトリカル・トライアングル

シンメトリカル・トライアングルには放れ(ブレイク)を見せた後の目標価格の設定方法が何通りかあります。

テクニカルの教科書によく記載されている代表的なものが、ブレイクが確認された地点からベースの高さ分だけ投影する方法です。この他には、図10−2(上昇トレンドの中段保ち合いとしてのシンメトリカル・トライアングル)の場合、サポートラインに平行なチャネルラインをシンメトリカル・トライアングルの起点から引き、アペックス地点におけるチャネルラインの水準を最低目標価格とする方法や、シンメトリカル・トライアングルの最初の下げ幅をブレイクが確認された地点から投影する方法、あるいは下げ幅に対する倍返しなどがあります。


アセンディング・トライアングル

アセンディング・トライアングルは、図10−3のように、上辺のレジスタンスラインが水平で、下辺のサポートラインが上昇しているパターンです。これは買い方の方が売り方よりも積極的で下値を切り上げているのに対して、売り方は防戦一方であることを示していますので、通常、強気のパターンと解釈されます。

アセンディング・トライアングルは、レジスタンスラインを終値ベースで決定的にブレイクされることによってパターンが完成します。この場合の上値目標は、アセンディング・トライアングルの高さ(アセンディング・トライアングルの起点からの最初の下げ幅)を測り、ブレイクした地点からその高さを投影することで計算できます。


【図10−3】 アセンディング・トライアングル
アセンディング・トライアングル

さて、アセンディング・トライアングルは、上値フラット/下値切り上げのパターンです。このパターンが下方向にブレイクすれば前回解説しましたトリプル・トップです。逆に言えば、トリプル・トップの失敗パターンがアセンディング・トライアングルなのです。このアセンディング・トライアングルが底値圏で出現した場合、天底転換パターンとなることがあります。


ディセンディング・トライアングル

ディセンディング・トライアングルは、図10−4のように、下落するレジスタンスラインと水平なサポートラインからなり、売り方が買い方よりも積極的で上値を切り下げているのに対して、買い方は防戦一方であることを示していますので、通常、弱気のパターンと解釈されます。

ディセンディング・トライアングルは、サポートラインを終値ベースで決定的にブレイクされることによってパターンが完成します。この場合の下値目標は、ディセンディング・トライアングルの高さ(ディセンディング・トライアングルの起点からの最初の上げ幅)を測り、ブレイクした地点からその高さを投影することで計算できます。


【図10−4】 ディセンディング・トライアングル
ディセンディング・トライアングル

さて、ディセンディング・トライアングルは下値フラット/上値切り下げのパターンです。このパターンが上方向にブレイクすれば前回解説しましたトリプル・ボトムです。逆に言えば、トリプル・ボトムの失敗パターンがディセンディング・トライアングルなのです。このディセンディング・トライアングルが天井圏で出現した場合、天底転換パターンとなることがあります。


(参考)トライアングルのブレイクする方向を前もって知る方法

シンメトリカル・トライアングルは通常、トライアングルパターン形成前のトレンドの方向にブレイク、アセンディング・トライアングルは上放れ、ディセンディング・トライアングルは下放れとみますが、シンメトリカルでもアセンディングでもディセンディングでもないトライアングルが出現した場合、どちらの方向にブレイクする可能性が高いと見るのでしょうか?

「トレンドは継続する」というテクニカル分析の大前提からは、「パターンを形成する前のトレンドの方向」と答えたいところですが、保ち合い圏における売り方と買い方の力関係の変化を見るのがパターン分析ですので、これは不正解。経験的には、サポートラインとレジスタンスラインがクロスするアペックスの位置が、トライアングルのベースラインの上部にあれば上放れ、同下部にあれば下放れとなる傾向があるようです。アペックスの位置がトライアングルのベースラインの50%水準にあるのは「シンメトリカル・トライアングル」ですので、この場合は、パターン形成前のトレンドの方向性と見ることになります。


トライアングル形成にかかる時間的要因

さて、トライアングルに関して忘れていけないことが一つあります。それは、トライアングル形成にかかる時間という要因です。トライアングルは形成するのに通常、3週間〜3ヵ月程度かかるとされています。形成に3週間とかからないような短期の三角保ち合いは、トライアングルではなく、次回お話します別のパターンに区分されます。


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第1回 テクニカル分析の意義
第2回 ローソク足の見方と判断法
第3回 酒田五法
第4回 トレンドの定義
第5回 サポートとレジスタンス
第6回 トレンドライン
第7回 チャネルラインと目標価格
第8回 天底転換パターン
第9回 天底転換パターン
第10回 中段保ち合いパターン
第11回 中段保ち合いパターン
第12回 移動平均線
第13回 移動平均線
第14回 ボリンジャーバンド
第15回 フィボナッチ
第16回 平均足
第17回 RSI(相対力指数)
第18回 テクニカル指標の変数

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