テクニカル分析入門
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テクニカル分析を分かりやすく説明します。

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テクニカル分析入門
テーマ:第15回 フィボナッチ

フィボナッチ比率とは

フィボナッチ比率(Fibonacci ratio)というのは、フィボナッチ数列の中に現れる不思議な比率のことで、イタリアの数学者レオナルド・フィボナッチが研究したことから、こう呼ばれています。

フィボナッチ数列とは、1、1で始まり、3番目の数は1と1の和である2、その次の4番目は1と2の和である3というように、隣り合った二つの数字の和を繋げていって作られる数列のことです。

■フィボナッチ数列
1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89、144、233、・・・

このフィボナッチ数列は様々な自然現象の中に見ることができます。つまり、フィボナッチ数列によるテクニカル分析は、マーケットの値動きを自然現象の一部と捉え、複雑に見える動きの中にフィボナッチ数列に従う普遍的な秩序を見出そうというアプローチです。このフィボナッチ数列はエリオット波動理論の基礎になっています。

フィボナッチ数列は自然界の中にも存在する不思議な数列ですが、数学的にも多くの興味深い性質を持っています。その中でも特に注目される性質は、隣り合った数字の比率は黄金比率に限りなく近づいていくという性質です。

黄金比率(あるいは黄金分割)とは古代ギリシアで発見された比率で、1対1.618の比率のことです。縦・横の比率が黄金比率になっている長方形は最も美しく均整が取れていると言われています。

またフィボナッチ数列では、一つおきの数字の比率は1対2.618に、二つおきの数字の比率は1対4.236に、限りなく近づいていくという性質もあります。

「1.618やその逆数である0.618」、「2.618やその逆数である0.382」、「4.236やその逆数である0.236」をフィボナッチ比率と言います。

このフィボナッチ比率に基づいて、23.6%、38.2%、61.8%、76.4%、100%、123.6%、138.2%、161.8%といった数字がテクニカル分析で使われます。

フィボナッチ比率を用いたテクニカル分析には下記のようなものがあります。

■フィボナッチ比率を用いたテクニカル分析
 フィボナッチ・リトレースメント
 フィボナッチ・アーク
 フィボナッチ・ファン
 フィボナッチ・エクスパンション
 フィボナッチ・チャネル
 フィボナッチ・タイムゾーン


フィボナッチ・リトレースメント

フィボナッチ比率を用いたテクニカル分析で最もよく使われるのがフィボナッチ・リトレースメントです。単にフィボナッチあるいはフィボと呼ばれる場合にはフィボナッチ・リトレースメントのことを指します。

リトレースメントとは「引き返す」という意味で、高値から安値(あるいは安値から高値)へ推移した後、反転した時に、ターゲットとなる値幅を測ります。

【図15−1】をご覧ください。高値から安値に下げた後の反転の値幅を23.6%、38.2%、50%、61.8%で測ります。50%はフィボナッチ比率ではありませんが、いわゆる半値戻しであり、チャートポイントになります。それぞれの価格がレジスタンスになり、そのポイントをブレイクした場合は次の水準がターゲットになります。【図15−3】の例では38.2%レベルがレジスタンスとなっていましたが、それをブレイクし、61.8%で止まっています。

【図15−2】は安値から高値に上げた後の反転であり、上から23.6%、38.2%、50%、61.8%で値幅を測ります。それぞれの水準がサポートになります。


【図15−1】高値から安値を結んだ例

高値から安値を結んだ例

【図15−2】安値から高値を結んだ例

安値から高値を結んだ例

【図15−3】フィボナッチ・リトレースメントの例


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フィボナッチ・アーク

フィボナッチ・リトレースメントは、時間的は無視して価格のみを分析の対象としていました。フィボナッチ・アークは、そこに時間軸要素を加えた分析です。

アークというのは「円弧」という意味で、円弧の水準がサポート、レジスタンスとなります。

【図15−4】をご覧下さい。高値から安値(あるいは安値から高値)を選び、線を引きます。このとき、時間的に先にある点をA、後にある点をBとすると、Bを中心に、A〜B間の距離の61.8%、50%、38.2%となるような同心円の円弧(アーク)を描きます。

A〜B間の距離が長くなればなるほど、円弧(アーク)は大きくなります。従って、高値と安値の価格差が同じであれば、時間差が長いほど、円弧は(アーク)は大きくなります。


【図15−4】フィボナッチ・アークの例


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フィボナッチ・ファン

フィボナッチ・ファンは高値と安値を結ぶ線の間に扇状の線を引いて、これをサポート、レジスタンスを測る指標です。ファンとは扇の意味です。

【図15−5】をご覧下さい。安値と高値を選び、時間的に先にある方をA、後にある方をBとします。Aから水平線を引き、Bから垂直線を引き、交わった点をA´とします。A´とBを結び、これを61.8%、50%、38.2%で分割します。それぞれにAを基点とした線を結んだものがフィボナッチ・ファンです。

フィボナッチ・リトレースメントと違い、斜めにラインを引いていますので、時間と共に価格水準が変化します。これもフィボナッチ・リトレースメントに時間的要素を加えた指標と言ってよいでしょう。


【図15−5】安値から高値を結んだ例

安値から高値を結んだ例

【図15−6】フィボナッチ・ファンの例


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フィボナッチ・エクスパンション

フィボナッチ・エクスパンションは、一旦調整となった後、再び元のトレンドへ回帰した時にどこまで動くかを測る指標です。エクスパンションとは拡大という意味です。

【図15−7】をご覧下さい。AからBへ上昇した後、調整安となりCで下げ止ったとします。その後、上昇トレンドを再開した場合、A〜Bの価格差の61.8%、100%、161.8%がターゲットになります。

ちなみに100%は一目均衡表のN計算値と同じです。


【図15−7】フィボナッチ・エクスパンションの描画

フィボナッチ・エクスパンションの描画

【図15−8】フィボナッチ・エクスパンションの例


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フィボナッチ・チャネル

フィボナッチ・チャネルはチャネルラインをブレイクした場合に次のチャネルラインがどこになるかをフィボナッチ比率で測る指標です。

まず、トレンドラインを引き、トレンドラインに平行にチャネルラインを引きます。トレンドラインとチャネルラインの値幅を基準に、61.8%、100%、161.8%、261.8%、423.6%にラインを引きます。


【図15−9】フィボナッチ・チャネルの例


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フィボナッチ・タイムゾーン

フィボナッチ・タイムゾーンは、日柄のみに焦点を当てたテクニカル指標です。チャート上にフィボナッチ数列の1、1、2、3、5、8、13、21、34を垂直に描画します。

フィボナッチ・タイムゾーンはフィボナッチ数列相場の転換点(山や谷)となる時間を測ろうとするテクニカル指標です。


【図15−10】フィボナッチ・タイムゾーンの例


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第1回 テクニカル分析の意義
第2回 ローソク足の見方と判断法
第3回 酒田五法
第4回 トレンドの定義
第5回 サポートとレジスタンス
第6回 トレンドライン
第7回 チャネルラインと目標価格
第8回 天底転換パターン
第9回 天底転換パターン
第10回 中段保ち合いパターン
第11回 中段保ち合いパターン
第12回 移動平均線
第13回 移動平均線
第14回 ボリンジャーバンド
第15回 フィボナッチ
第16回 平均足
第17回 RSI(相対力指数)
第18回 テクニカル指標の変数

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